ブックタイトルレベル計
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レベル計
第1章レベル計とは第1章レベル計とは1.1はじめにレベル計とは,流動性物体相互間の境界面の位置を測定するための計器のことである。流動性物体相互間の境界面とは,気体と液体,気体と粉粒体,液体と液体,液体と粉粒体等の境界面のことで,これらを総称してレベルと呼ぶ。また,ここで粉粒体等のうち粉体とは,その粉径がおよそ100 ?m以下の固体,粒体とは,同じく100 ?m~10 mm程度,塊体とはその粒径が10 mmを超えるような固体をいう。さらに,レベルの位置を表わすとき,タンクの液面であるときや,タンクの上部基準点からの距離のときは,アレージ(ullage)又はアウテージ(outage),タンクの下部基準点からの距離のときは,ディップ(dip)又はインネージ(innage)ということもある。頃,今日のタンク尺のようなもので井戸の液面を測っていたという。農業が発達するにつれて,古代エジプトでは,ナイル川の水位の監視が必要になった。定期的に確実にやってくるナイルの洪水を予知し,その水量を監視して,避難や播種の準備をしたことであろう。このため,ナイル川の各所には岸の岩場に水位計が刻まれた。目盛は当時の尺度の単位キュービット(約50 cm)で目盛がつけられ,その目盛の形は遠くから読取り易いように,今日の測量用標尺や河川水位計と同じ階段状になっている。この水位計は今も各所に残っていて,当時の尺度を知ることができる。今日,河川水位計のことをナイロメータと呼ぶが,これはナイルのメータからきたものである(図1.2.1参照)。こういう水位の観測は日本でも古くから行われていて,過去の最高水位を10等分して合(ごう)1.2レベル計の歴史レベルの測定は,まず水の管理の必要から始まったようである。古代文明の発生した地帯は,概ね半乾燥地であり,河川は日本のように清冽でなかったので,そこでは,飲料に適する水はオアシスか井戸からしか得られなかった。しかし,そのオアシスも井戸も,とかく枯渇しがちで,遊牧民や集落の民や家畜のためにそれらを管理する必要があった。こうして,古代エジプト人は,紀元前3000年図1.2.1ナイル川の水位計ナイロメータ1