ブックタイトルレベル計

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概要

レベル計

第1章レベル計とはの目盛をつけ,洪水が何合目まできたなどと測った。やがて航海のために水深の測定が必要になった。紀元前3000年ごろのエジプトの水夫達が使った紐と石の錘のついた,今でいう測鉛が残っている。ギリシャ時代に入ると,今日のいわゆる計器らしいものが,アレキサンドリアのヘロンによって開発された。これはフロート式レベル計による水時計で,常に一様に水が流れこむように工夫されたタンクに浮かしたフロートの位置によって時刻を示すようになっていた。都市水道はローマ時代に大きな設備として作られた。この設備には青銅製のプラグコックや木製のスライド弁が用いられ,貯水槽の水位の測定には,ノッチ棒が使われていた。ある西洋の学者によると,この頃に水位の測定の精度を高めるため,液面視定を,液面の下方から突きあげる方式のいわゆるフックゲージが考案された。このフックゲージは,今日ではバーニア(副尺)付きのものとなり,せき式流量計のレベルの精密測定に用いられている。西欧においては,下水道の発達とともに水洗便所のボールフロートバルブが発達して,レベル管理も自動化されるようになった。貯水槽や貯油槽のレベル監視のためのフロート,滑車,釣合錘(カウンターバランス)によるフロート式レベル計は古いものと思われ,この方式はやがてポンプを自動操作する装置に発展した。1875年,イギリスの海運法が改正され,船舶への満載吃水線マーク(プリムソルのレベルマーク)が義務付けられた。船舶への荷の積み過ぎによる沈没を防ぐため,様々な密度の水についての満載吃水位を示す記号が付されたことからもレベル監視の重要さを物語っている(図1.2.2参照)。FW…………Fresh Water(淡水)IS…………India Summer(夏季のインド洋)S……………Summer(夏季の海水)W…………Winter(冬季の海水)WNA………Winter North Atlantic(冬季の北大西洋)図1.2.2プリムソルのレベルマークまた,ボイラの発達は,耐圧のゲージコックと反射式ゲージグラスの発達をうながした。この2つを組合せた装置は1897年に作られている。このような機械的なレベル計又はレベル調節装置の原形は概ね出そろい,近代産業の発展とともに測定の対象も水以外のものに拡大され,ことに石油精製と消費の量の増大は,レベル計をますます巧緻にし,その利用範囲もまた拡がっていった。日本国内におけるレベルの計測は,石油や酒類の保税品の管理を目的とした高精度製品の必要性より発展したが,日本酒における酒税の場合,明治以前は幕藩体制の中で,酒を造る権利を各藩主が許可をして上納金を得ていた。明治四年になって初めて政府の免許制度が布告され,その時点で全国統一の酒造制度ができた。その後制度は何回か改変されて,清酒や醤油の鑑札が相当自由に与えられるようになったが,明治政府は明治二十七年の日清戦争の大きな戦費の捻出にせまられて,その財政上の必要から,明治二十九年に「酒造税法」という法律を作った。その当時は「造石税(ぞうこくぜい)」といって,各メーカの造った酒の量,アルコール分に対して2